「脂肪が燃える」とよく言いますが、燃えた脂肪はいったいどこへ行くのでしょう。汗になって流れる。トイレで出ていく。熱になって消える。どれも、もっともらしく聞こえます。
実はこの問い、専門家でも答えに迷うほどの難問です。
専門家も迷った、脂肪の行き先
オーストラリアの研究者が、医師や栄養士、トレーナー150人にこの質問をしたところ、いちばん多かった答えは「エネルギーや熱に変わる」でした。
半分は正解です。脂肪を使うと、体を動かすエネルギーと熱が生まれます。けれど、脂肪そのものの「重さ」は消えません。脂肪をつくっていた炭素や水素、酸素は、別の形になって体の外へ出ていく必要があるのです。
答えは、吐く息と水
計算すると、脂肪10kgのうち約8.4kgは二酸化炭素になり、肺から息として出ていきます。残りの約1.6kgは水になり、尿や汗、吐く息の湿り気として出ていきます。
つまり体重が減ったとき、その大部分は呼吸を通して、空気の中へ消えているのです。

それなら、深呼吸を増やせば痩せる?
残念ながら、そうはいきません。吐き出す二酸化炭素の量は、体がどれだけエネルギーを使ったかで決まります。使うエネルギーが増えないまま息だけ増やしても、めまいがするだけで脂肪は減りません。
汗も同じです。たくさん汗をかいても、それで脂肪が多く使われるわけではありません。
脂肪を息に変える近道は、結局のところ、体をよく動かして食べる量を整えること。地味ですが、それが脂肪を空気の中へ送り出す唯一の方法です。
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参考
- Meerman R, Brown AJ, When somebody loses weight, where does the fat go?, BMJ, 2014;349:g7257(医師・栄養士・トレーナーへの質問の結果と、脂肪10kgのうち約8.4kgが二酸化炭素、約1.6kgが水として出ていく計算) — PubMed
- UNSW Sydney「When we lose weight, where does the fat go?」(2014年12月)(医師・栄養士・トレーナー150人への質問の結果) — UNSW Sydney
