「若い頃と同じように食べているのに、40代を過ぎてから太りやすくなった。きっと代謝が落ちたせいだ」。同年代の集まりで、必ずといっていいほど出てくる話です。
ところが、この「中年になると代謝が急に落ちる」という常識をくつがえす研究があります。
代謝は、60歳ごろまでほとんど落ちない
2021年、科学誌『サイエンス』に、生後8日から95歳までの6,000人以上を調べた大規模な研究が発表されました。
体の大きさや筋肉の量の違いを差し引いて比べると、1日に使うエネルギーは20歳から60歳ごろまでほぼ横ばい。はっきり下がり始めるのは、60歳を過ぎてからだったのです。

では、中年太りの正体は
代謝そのものが急に落ちないとすれば、変わったのは暮らしのほうかもしれません。
車での移動が増え、仕事は座りっぱなし。休日に体を動かす機会も減っていく。動かなくなれば筋肉は少しずつ落ち、体が使うエネルギーの総量も減っていきます。そこに若い頃と同じ量の食事やお酒が続けば、差し引きで余る分が出てくるのは自然なことです。
「年のせい」にしないほうが得をする
「代謝が落ちたから仕方ない」と思うと、打つ手がなくなってしまいます。けれど、原因が活動量や筋肉量、食べ方にあるなら、まだ変えられる余地は十分にあります。
歩く時間を少し増やす。筋肉を落とさないように体を使う。食べる量を、今の暮らしに合わせる。中年太りは、年齢のせいにせず暮らしの変化に合わせて手を打てば、ちゃんと応えてくれます。
あわせて読みたい
参考
- Pontzer H, Yamada Y, Sagayama H, et al., Daily energy expenditure through the human life course, Science, 2021;373(6556):808-812 — PubMed
