「脂肪は、運動を始めて20分たたないと燃えない」。どこかで聞いたこの話を信じて、15分の散歩を「意味がない」とやめてしまった人もいるのではないでしょうか。
実は、脂肪は運動を始めたそのときから使われています。
最初の1分から、脂肪は使われている
体は動き始めた瞬間から、糖と脂肪の両方をエネルギーとして使っています。どちらをどれだけ使うかは、運動の強さや続けた時間によって変わるだけです。
続けるうちに、使うエネルギーに占める脂肪の割合は少しずつ増えていきます。この「割合が増える」という話が、いつの間にか「20分たたないと燃えない」にすり替わってしまったようです。

細切れでも、ちゃんと足し算になる
世界保健機関(WHO)は2020年に出した身体活動の指針で、「運動は10分以上続けなければ数えない」という以前の考え方をやめました。短い時間の活動でも、合計すれば健康に役立つとしています。
朝の10分、昼休みの10分、帰り道の10分。細切れの動きも、きちんと積み上がっていくのです。
体脂肪を減らすのは、時間ではなく1日の合計
そもそも、運動中にどれだけ脂肪を使ったかと、体の脂肪が減るかどうかは別の話です。体脂肪を減らすのは、1日を通して使ったエネルギーと、食事から入ったエネルギーの差し引きです。
「20分」に縛られて動かないより、5分でも10分でも動いたほうがずっといい。そう考えると、エレベーターの代わりに階段を使う一歩も、立派な運動に見えてきます。
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参考
- World Health Organization「WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour」(2020年11月) — WHO
- Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al., World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour, British Journal of Sports Medicine, 2020;54(24):1451-1462(10分以上続けるという条件をなくしたこと) — DOI
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2024年1月)(「20分以上続けなければ効果がない」といった最短の時間はなく、短い時間の積み重ねでも効果があること) — 厚生労働省
