カロリーゼロなら、いくら飲んでも太らない?

ゼロ表示の飲み物を何本も並べるタエコさん

甘いジュースはやめて、「カロリーゼロ」の炭酸飲料に切り替えた。ゼロなのだから、1日に何本飲んでも平気なはず。そう考えて、冷蔵庫に何本も常備している人もいるかもしれません。

けれど、「ゼロ」は、まったく何もないという意味ではありません。それに、甘味料と体重の関係は、研究でもまだ答えが出ていないのです。

「ゼロ」は、100mlあたり5kcal未満

食品のエネルギーの表示には、国が定めたルールがあります。食品表示基準では、飲み物の場合、100mlあたり5kcal未満であれば「ゼロ」「ノン」と表示できます。

つまり、500mlのペットボトル1本なら、25kcal未満まではありうる計算です。3本なら、最大で75kcal近くです。実際にはほとんどエネルギーのない商品も多いのですが、「完全にゼロ」とは限りません。

よく似た「低カロリー」「カロリー控えめ」は、100mlあたり20kcal以下が基準です。こちらは500mlで最大100kcalになります。言葉は似ていても、中身はかなり違います。

砂糖入りから替えるなら、意味はある

一方で、正しい部分もあります。砂糖がたっぷり入った甘い飲み物を毎日飲んでいた人が、カロリーゼロの飲み物に替えれば、その分のエネルギーは確実に減ります。

飲み物の糖分は、噛まずにすっと体に入るので、食べ物ほど満腹感につながりにくいと言われます。そこを置き換えるだけでも、立派な一歩です。

甘味料と体重は、まだ答えが出ていない

では、甘味料を使った飲み物は、長い目で見て体重を減らしてくれるのでしょうか。世界保健機関(WHO)は2023年、体重を管理する目的で、砂糖以外の甘味料に頼ることは勧めないというガイドラインを出しました。

短い期間の試験では体重がわずかに減ったものの、長期的に体脂肪を減らす効果は確認できなかった、というのが理由です。長く使っている人ほど体重が増えやすいという調査もあります。けれど、もともと太りやすい人が選んで飲んでいる可能性もあり、結論は分かれています。

頼るのは「ゼロ」より、水やお茶

カロリーゼロの飲み物は、甘い飲み物から離れるための「つなぎ」と考えると、上手に付き合えます。最終的には、水やお茶、無糖のコーヒーを基本にしていくのがおすすめです。

もう一つ、「ゼロだから」と、つい甘いお菓子を足していないかも振り返ってみてください。飲み物で減らした分を、ほかで取り戻していては、もったいないからです。

参考

  • 消費者庁「食品表示基準」別表第13(2026年10月改正版)(熱量の「含まない旨」の表示は飲料100mlあたり5kcal未満、「低い旨」の表示は20kcal以下) — 消費者庁
  • 消費者庁「栄養成分表示について」(「ゼロ」「ノン」「低」「控えめ」などの表現例) — 消費者庁
  • World Health Organization「Use of non-sugar sweeteners: WHO guideline」(2023年5月) — WHO
  • Azad MB, Abou-Setta AM, Chauhan BF, et al., Nonnutritive sweeteners and cardiometabolic health: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials and prospective cohort studies, CMAJ, 2017;189(28):E929-E939(甘味料を長く使っている人の体重の変化) — PubMed
  • DiMeglio DP, Mattes RD, Liquid versus solid carbohydrate: effects on food intake and body weight, International Journal of Obesity and Related Metabolic Disorders, 2000;24(6):794-800(飲み物の糖分は満腹感につながりにくいとする研究) — PubMed