50歳を前にして、食べる量は変わらないのに、お腹まわりだけがふっくらしてきた。友人からも「更年期だから仕方ないよ」と言われ、半ばあきらめている人もいるのではないでしょうか。
けれど、更年期の体の変化は確かにあるものの、太るのを防げないわけではありません。
お腹まわりに付きやすくなるのは、本当
更年期とは、閉経をはさんだ前後およそ10年間のことです。日本人が閉経を迎えるのは平均で50歳ごろで、この時期には女性ホルモンのエストロゲンが大きく減ります。
エストロゲンには、脂肪をお尻や太ももなど下半身に付けやすくする働きがあると考えられています。それが減ると、脂肪は男性と同じように、お腹まわりや内臓のまわりに付きやすくなります。内臓のまわりの脂肪は、血圧や血糖の値にも影響しやすい脂肪です。
閉経に向かう時期に、脂肪が増えるペースが速まり、筋肉などが減り始めることを示した研究もあります。体重はそれほど変わらないのに体型が変わったと感じるのは、このためです。
体重が増える理由は、ホルモンだけではない
一方で、体重そのものが増えることは、更年期のホルモンの変化だけでは説明しきれません。中年期の女性の体重増加については、国際的な専門家の団体が見解を示しています。それによると、増加の多くは年齢を重ねることや、暮らし方の変化によるものとされています。
50歳前後は、仕事や家庭での役割が変わり、体を動かす機会が減りやすい時期でもあります。ほてりや寝汗で眠りが浅くなり、疲れて動く気になれない、という人もいるでしょう。
すべてを「更年期だから」とひとくくりにすると、自分で変えられる部分まで見逃してしまいます。「仕方ない」と何もしなければ、お腹まわりの脂肪は少しずつ積み重なっていきます。
変えられることと、相談できること
対策の基本は、ほかの年代と変わりません。年齢とともに必要なエネルギーは少しずつ減るため、主食や間食を少し控えめにしつつ、肉や魚、大豆製品などのたんぱく質はしっかりとること。そして、早歩きなどの運動に軽い筋トレを組み合わせ、お腹まわりの脂肪と筋肉の両方に働きかけることです。
ほてりや不眠、気分の落ち込みなどがつらい場合は、婦人科や更年期外来に相談するのも一つの方法です。更年期の不調に似た症状が、別の病気から来ていることもあります。ホルモン補充療法や漢方薬など、症状に合わせた治療の選択肢があります。
これらは体重を減らすための治療ではありませんが、つらい症状が和らいでよく眠れるようになれば、暮らしを立て直すきっかけになることもあります。どの治療が合うかは体の状態によって違うため、自己判断せず医師とよく相談してください。
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参考
- 日本産科婦人科学会「更年期障害」(2025年1月更新)(更年期の定義、日本人の平均閉経年齢、治療の選択肢) — 日本産科婦人科学会
- Greendale GA, Sternfeld B, Huang M, et al., Changes in body composition and weight during the menopause transition, JCI Insight, 2019;4(5):e124865(閉経に向かう時期に脂肪の増えるペースが速まり、除脂肪量が減り始める) — PubMed
- Davis SR, Castelo-Branco C, Chedraui P, et al., Understanding weight gain at menopause, Climacteric, 2012;15(5):419-429(国際閉経学会の執筆グループによる総説。閉経に伴うホルモンの変化と腹部の脂肪の増加) — PubMed
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」(2019年12月)(内臓脂肪型肥満と糖尿病・高血圧などの関係) — 厚生労働省
