残業で帰りが遅くなり、夕食は夜10時過ぎ。「こんな時間に食べたら、全部お腹の肉になる」と、後ろめたい気持ちで箸を進めている人も多いのではないでしょうか。
けれど、太るかどうかを決める土台は、食べた時刻ではなく1日に食べた量です。ただし、「夜は太りやすい」という感覚にも、一理あります。
夜10時のおにぎりも、朝7時のおにぎりも、同じおにぎり
体の脂肪が増えるのは、食べたエネルギーが使ったエネルギーを上回る日が続いたときです。夜に食べたものだけが、寝ている間に特別に脂肪へ回されるわけではありません。眠っている間も、心臓や脳、呼吸のために、エネルギーは使われ続けています。
1日に食べる量をそろえたうえで、朝に多く食べる期間と、夜に多く食べる期間を比べた研究があります。体重の減り方に、はっきりした差は出ませんでした。一方で、朝に多く食べたほうが、1日を通して空腹を感じにくかったと報告されています。
夜の食卓には、食べ過ぎの落とし穴がある
それでも夜遅い食事が太りやすいと言われるのは、食べる量が増えやすいからです。昼から何も食べずに空腹が長く続いた後は、どうしても一気に食べてしまいます。疲れていて、お酒も入れば、なおさらです。
「今日も一日頑張った」というご褒美の気分も、夜は強くなりがちです。締めの麺類や甘いものに手が伸びるのも、たいていこの時間ではないでしょうか。
満腹のまま布団に入ると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりしやすくなります。睡眠が足りないと、翌日の食欲が増えやすいという研究もあります。
同じ食事でも、4時間遅らせると
時刻そのものの影響を調べた研究もあります。同じ食事を4時間ほど遅らせて食べてもらうと、空腹感が強くなり、使うエネルギーもわずかに減っていたと報告されています。
ただし、少人数で調べた段階で、まだ確かめている途中の分野です。「夜に食べた分だけ大きく太る」とまで言える根拠は、今のところありません。
遅くなる日は、夕食を2回に分ける
帰りが遅くなるとわかっている日は、夕方にいったん、おにぎりなどで軽くお腹を満たしておきます。そうすれば、帰宅後は汁物や野菜、豆腐などの軽いもので済ませやすくなります。できれば、食べ終えてから布団に入るまで、少し時間をあけてください。
遅く食べた日を責めるより、1日の量でやりくりできているかを見るほうが、ずっと役に立ちます。時刻に振り回されなくなれば、遅い夕食も、もう少し落ち着いて味わえるようになります。
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参考
- Ruddick-Collins LC, Morgan PJ, Fyfe CL, et al., Timing of daily calorie loading affects appetite and hunger responses without changes in energy metabolism in healthy subjects with obesity, Cell Metabolism, 2022;34(10):1472-1485 — PubMed
- Vujović N, Piron MJ, Qian J, et al., Late isocaloric eating increases hunger, decreases energy expenditure, and modifies metabolic pathways in adults with overweight and obesity, Cell Metabolism, 2022;34(10):1486-1498(食事の時刻を約4時間遅らせた比較) — PubMed
- Spiegel K, Tasali E, Penev P, Van Cauter E, Brief communication: Sleep curtailment in healthy young men is associated with decreased leptin levels, elevated ghrelin levels, and increased hunger and appetite, Annals of Internal Medicine, 2004;141(11):846-850 — PubMed
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月)(就寝直前の夕食や夜食と睡眠) — 厚生労働省
