テレビで「この食べ方で痩せる」と紹介された翌日、スーパーの棚からその食材が消えていた。そんな光景を見たことがある人もいるでしょう。専門家が出てきて、実験の結果まで見せてくれると、効果も安全性も確かだと感じてしまいます。
けれど、テレビで紹介されたことは、効果や安全性が確かめられた証拠にはなりません。
紹介された食べ方で、体調を崩した人が相次いだ
2006年5月、あるテレビ番組で、白インゲン豆を使ったダイエット法が紹介されました。豆を2〜3分煎って粉にし、それを食べるというものです。
これを試した人に、嘔吐や下痢などの健康被害が多数出ました。厚生労働省は、加熱が足りなかったことによるものと推察されると発表しています。
白インゲン豆は、ふつう十分に煮てから食べるものです。ほんの数分煎るだけでは、加熱が十分でなかったと考えられています。
同じ食材でも、調理法を変えるだけで体に害が出ることがある。テレビの短い紹介では、そこまでの注意は伝わりにくいものです。
番組のデータに、事実と異なるものがあった
2007年1月には、納豆を食べると痩せると紹介した番組で、データの捏造が発覚しました。画面に示された実験のデータに、事実と異なるものが含まれていたのです。
もちろん、テレビの情報がすべて間違っているわけではありません。ただ、短い放送時間の中では、試した人数や条件、うまくいかなかった人のことまでは、伝えきれないことが多いでしょう。
番組の中の実験は、少ない人数、短い期間で行われることも少なくありません。画面で見る変化は分かりやすくても、それが誰にでも起こることなのかまでは分かりません。
試す前に、ひと呼吸おいて調べる
体調を崩すのも、お金を払うのも、試した私たち自身です。気になる方法を見たら、すぐに買いに走る前に、少しだけ調べてみてください。公的な機関が注意を呼びかけていないか、食べ方や量に無理はないか。
特に、ふだんと違う調理法で食べる方法や、同じものを大量に食べ続ける方法には注意が必要です。持病がある人や薬を飲んでいる人は、始める前に医師や薬剤師に相談すると安心です。
番組は、きっかけとして楽しめば十分です。出演者の肩書きではなく、「誰で、どのくらい試したのか」を見る。
続けるかどうかは、中身を自分で確かめてから決める。それだけで、損をすることはずっと減ります。
