内臓脂肪は、見た目で分かる?

見た目は普通のタエコさんと、お腹の断面の吹き出し

同年代の友人と比べても、自分はほっそりしているほう。お腹まわりもそれほど気にならないので、内臓脂肪の話は自分には関係ないと思っている人もいるでしょう。

けれど、内臓脂肪は外からは見えない場所にたまります。見た目がすらりとしていても、お腹の中には意外なほどたまっていることがあるのです。

内臓脂肪は、指でつまめない

体の脂肪には、大きく分けて二つの置き場所があります。一つは、皮膚のすぐ下にたまる皮下脂肪。お腹や二の腕を指でつまんだときの、あの脂肪です。

もう一つが内臓脂肪です。お腹の筋肉のさらに内側、腸を支える膜のまわりなどにたまるので、指ではつまめません。外からは触れられない、いわば隠れた場所の脂肪です。

そのため、お腹の表面はうっすらしていても、内側にはしっかりたまっている、ということが起こります。量が増えればお腹は内側から押し出されますが、たまり始めのうちは、鏡に映る姿ではほとんど分かりません。

手足が細くても、お腹の中は別の話

内臓脂肪は、手足や顔にはほとんど表れません。手足は細いのに、お腹だけが少し前に出ている。そんな体型の人も珍しくありません。

日本人は欧米の人に比べて、軽い肥満の段階から内臓脂肪がたまりやすいとされています。年齢とともに筋肉が減ると、体重は若い頃と同じでも、体の中身は脂肪の多い状態に変わっていることもあります。お酒をよく飲む人や、体を動かす機会が少ない人も、見た目に表れないまま内臓脂肪をため込んでいることがあります。

見た目がよく似た2人でも、お腹の断面を写してみると、内臓脂肪の量がまったく違うことがあるのです。

同じ体型でも内臓脂肪の量が違う2人の断面比較

内臓脂肪は、つきやすく落ちやすい

内臓脂肪がたまると、血圧や血糖、血液中の脂質の数値が悪くなりやすくなります。見た目で安心していると、こうした変化に気づくのが遅れてしまいます。体の外側ではなく、内側で静かに進むのが、内臓脂肪の厄介なところです。

見た目の代わりに頼りにしたいのが、おへその高さで測る腹囲と、健康診断の数値です。腹囲は、内臓脂肪の量のおおよその目安になります。中性脂肪が高い、血糖や血圧が高めといった結果が重なっているなら、見た目がスリムでも内臓脂肪を疑ってみる価値があります。

うれしいことに、内臓脂肪は、つきやすい一方で落ちやすい脂肪だとされています。食べる量を少し見直し、よく歩くようにするだけでも、減っていくことが期待できます。気になる数値があるときは、医療機関で相談してみてください。

参考

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」(内臓脂肪がお腹の筋肉の内側にたまること、内臓脂肪型肥満と糖尿病・高血圧・脂質異常の関係) — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」(腹囲はへその高さで測ること、腹囲の基準が内臓脂肪面積100平方センチメートルに相当すること) — 厚生労働省 e-ヘルスネット
  • 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」(2022年12月) — 日本肥満学会
  • Ogawa W, Hirota Y, Miyazaki S, et al., Definition, criteria, and core concepts of guidelines for the management of obesity disease in Japan, Endocrine Journal, 2024;71(3):223-231(肥満症診療ガイドライン2022の要点。日本人は同じBMIでも内臓脂肪がたまりやすいこと、内臓脂肪は食事や運動で皮下脂肪より早く減ること) — J-STAGE